小さなやつらの大きな終わり/ホロウ・シカエルボク
ーの近くのピザ屋でウェイトレスをしていた一人の客以上のものでは決してなかったし、もっと正直に言うなら俺はあまり彼女のことが好きではなかった、彼女が働いている店の店長である「あの男」のことも見たことがあった、あまり人と目を合わせないやつだな、という印象以外何も残ってはいなかった、ウチに飲みに来たこともなかったし―だけど、そいつがエミリーを営業中の店の中ででかいナイフで何十回も刺して殺したってニュースを聞いた時は、さすがに驚いたね…エミリーはよほど彼の感情を掻き乱すようなことを口にしたらしい、うちに来た最後の晩に話してたようなことさ―彼女の事件を担当してた警官はこの店の常連でね、エミリーのことも知って
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