無駄な境界線を引きたがるインサイドとアウトサイド/ホロウ・シカエルボク
行を思い出した、真実なんてどうだっていいのだ、それがこの俺とまるでリンクしてこない限りは―空気は冷えていたけれど憎しみを覚えるほどではなく、空腹だったけれど切迫したものではなかった、チャンネルをヘヴィ・メタルに合わせて手元に転がっている雑誌を拾って読んでいるうちに二時間ほどが過ぎていた、無意味な熱心さは眼球を酷く疲れさせただけに終わり、少しの間目を閉じた…少なくともいまのところはそれだけのことでしかなかった、目で見たもの、耳にしたもの、口にしたもの…身体に取り込んですぐに形を変えるものなどそんなにはありはしない、もしどこかでそう考えているのだとしたらそれはとても愚かしいことだ、すべては取り込まれ、
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