創作童話詩/水菜
は
少年の周りをぐるりと覆い
妙に生温かい晩のこと
胸がむかむか し内臓すべてがどろりと外へ出そうなそんな夜のこと
外の方へ飛んでいった羽虫がわたしの目に留まりました
きらきらしておりましてなんともかなしい風景でした
あそこで足をすべせたのは其処に罠が仕掛けてあったからでございます
小柄な若い雄じかがヒューヒューとくるしげに訴えておりました
点々としたたる血の後の続く羽虫は
雄じかの周りをぐるりと囲い
覆っておりました
妙に生温かい夜のこと
雄じかはそっと羽虫に何かを伝えたかのようでした
ふわりと舞った羽虫の大群は
ふわりふわりと空を舞い上へ上へとのぼっていきました
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