創作童話詩/水菜
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『羽虫』
過ちを犯してしまったのです
オイルランプがぼんやりと照らすのはあの日の思い出
ぼんやりとした瞳の少年が湖の淵に座り込んでおります
手負いの少年は歩く気力を失っておりました
ひんやりと湿ったくうきに疲れ切った身体をふるりと震わせて
少年はぼんやり感覚を失った指をみつめておりました
祖父から貰った古びたランプの光はぼんやり古びた写真を照らします
笑う少年と照れくさそうに笑う老人
あそこから転げ落ちたのでございます
点々としたたる血の後に続く羽虫は
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