創作童話詩/水菜
の白狐の軍勢が…こちらに向かっております…」
足を折ったのだろうか 引きちぎれたように曲がった足を引きずり伝えた使者に
白鬼はぐぅっと呻き声を上げた
闇を白く染め上げる何千もの鳥が空から降りてきたのはその時だった
口元を赤く染め上げ白狐の首を咥えた白い鳥がバサリとそこに降り立ったのは
震えて声も出ない白鬼の前で、怒りを顕にした白い鳥が恫喝する
「私の庭で殺し合いをするとは何事だ お前の首も貰っていくぞ」
一瞬で白鬼の首は飛び、そこは混乱で染まった
天の国では白い酒が泉から溢れ、透明な羽を転がす若い妖精が薄桃の薬湯を下界へと振り撒き始めていた
薄絹を引きずり眉を顰めるの
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