創作童話詩/水菜
 
るのは水がなければ生きられぬ白魚』

薄っぺらな物語を書き出していた指を止めて美紅は、ぼーっと窓の外を見下ろす
薄化粧された町並み
歩く人影はなく、街は静まり返っている

キィエー

という声がしたかと思うと街は火の海に染まっていた
美紅が作り出した物語がそこには繰り広げられている

繰り返しの物語

美紅は窓の下を見下ろしながら思う

この後、何千もの白い鳥が降り立って…

「私の庭で殺し合いをするとは何事だ お前の首も貰っていくぞ」

ぱっと散った火花

後に残されたのは薄化粧された町並み

 


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