創作童話詩/水菜
 
かけている



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   『白』

『酒を浸した髪に鱗粉を零したのは茜色の湖 近付いてきたのは紅の蝶 白い鱗粉を蒔いては 薄い羽を広げて飛びかかってきたのは白魚
刃を掲げたのは白い鬼  赤い旗を掲げたのは幸久で 首を引きずるのは光島 蒼く染まった水に浮かぶ幾つもの白魚は波に洗われてバシャバシャと音を立てる 洞穴の奥で火を焚くのは高原 赤く染まった首筋は骨まで見えている 銀狐の衣を纏い口元は赤く染まっている白鬼 首を洗っているのは甲信 目の下は赤黒く膨れ上がっている 陰鬱とした空気があたりを覆い尽くしている
「戦況は…」
「はっ、3000もの白
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