引き算の挙句、最後に記入される解答となるために/ホロウ・シカエルボク
待ちやがれ!」「このアマ!」そんなことを叫びながら少年たちは砂に足を取られ、なかなか上手く走ることが出来ない、少女はとても上手く砂の上を駆けていく…ろくに明かりもない夜の中で、少年たちはすぐに少女の姿を見失ってしまう―が、少女は遠ざかっては居なかった、暗闇と、足音を消す砂を上手く使って、少年たちの背後に回り込んでいたのだ、銃声が五つ、静まり返った夜の中に鳴り響いた、少年たちの怒号はそれに合わせてひとつずつ消えた、最後に消えたのは怒号ではなく命乞いだった、少しの静寂のあと再び車のドアが開かれ、車内のライトが少女の姿を浮かび上がらせる、とても白けた、とても白けた表情をしている、運転席で彼女はスカートを
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