判らないものがおまえを生かしている/ホロウ・シカエルボク
も叶わずに蒸発していく、蒸発してしまう、消えていくそれらはいったいどんなところへたどり着くのだろう、叶わなかった詩情―叶わなかった雨はきっとまた空へと戻っていく、だからいつかは叶うことがあるかもしれない、だが、叶わなかった詩情は…亡霊のようにそこに留まることさえ出来ない連中は…幼い自殺者のように哀しい憤りを長く残して居なくなる、居なくなってそのまま忘れ去られてしまう、彼らにアドレスがあればいい、そうすればおまえは彼らにいつかコンタクトを取ることが出来るかもしれない、電話を鳴らしてもいい、メールを送ってもいい、もう少し親しい仲ならラインで小洒落たスタンプを送りつけたって構わない、でもそうしたところで
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