そのとき初めてその色を知るだろう(静かに語りかけるような音とともに)/ホロウ・シカエルボク
 
血管、それと神経、それは非常に複雑な形をしている、一目ではとてもつかみ切れない―きっとそれが俺が真実なり真理なりと呼んでいるものなのだろう、強く握ると無数の棘が手のひらに残酷な痕を残す、痛みのない真実などない、痕を残さない真理などない、そう語るに足る俺の生命、そう語るに足る俺の蓄積、俺はそれだけをうたう、太い幹のなだらかさをうたったり、鋭い棘の先端についてうたったりする、だけどそれはまるで同じものについてうたっている、口を開く理由があるやつはきっとみんなそういうものさ、もちろん違ってたってどうってことないけどな、真実なんて誰のものでもありはしない…回路が戻れば循環は復活する、停止を余儀なくされた心
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