そのとき初めてその色を知るだろう(静かに語りかけるような音とともに)/ホロウ・シカエルボク
 
った時、わずかな水流に傷口を差し出して、それが止まるまでいつまでも見ていた、いつだってそうだった、だから俺は怪我をしなくなった、血が止まるまであらゆることが中断されてしまうからだ、流れ落ちる血を眺めていることは、燃え続ける炎を眺め続けることと同じくらい好きだ…俺は体内からシリコンの塊を慎重に引っ張り出す、暗い珊瑚のようなそれはところどころに赤い斑点を残して白く艶めいている、凝固したシリコンはいつだって性的な要素を感じさせる、そうら、本物と交換するんだ、天井に吊るせ…交換したものを元の場所に戻す、外すときには感じない痛みがそこにはある、きっと外す前に比べてほんの少し、違うものになっているせいだ、血管
[次のページ]
戻る   Point(1)