爆ぜているものは無数にあり、そのなにひとつとして伝言を残したりなどしない/ホロウ・シカエルボク
 
んだ、きっとそれは二度と戻ってこれないところで腐敗して…灰になって消えて行くに違いない―カーテンを引いていない窓には夜が張り付いている、それはゴムシートのようにずっしりと張り付いて窓枠を軋ませている、今日は暮れ時から雨が降って、それからずっとあたりには湿気が充満している、星もなく…といって星など見たいわけでもないんだが…食事を済ませて水を飲みほすと、そんなことは初めからなかったというような時間が始まる、そんなことは初めからなかったんだ、お前は食事などしなかった、本当の意味で食事などすることはなかったと、脳味噌の中のきな臭いにおいに紛れて囁きかけるものが居る、そういうことはもういいんだ、と俺はそいつ
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