爆ぜているものは無数にあり、そのなにひとつとして伝言を残したりなどしない/ホロウ・シカエルボク
 
いつに言う…「俺はそいつに言う」―そういうことってなんだ、とそいつは答える、初めからなかったとか、そういうことはどうでもいいんだよ、と俺は答える…もう俺は意味を求めて生きることはやめたんだ、と俺は少し話す気になって続ける―答えなんてものは、あると思うほど馬鹿になるものだ、それに気づいたから答えにこだわるのはやめたんだ、そんなものは、すべての現象を泳がせておくほうが時々おぼろげに見えるものさ、でも、それ以上追いかける必要はないんだ、そこで明確な答えを出したところで、それは通過駅のようなものなのだから…お前は答えが臨終の床にしかないと考えているのか、とそいつは笑い飛ばしながら言う、裏返すことを想定して
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