水色の宝石/DFW
 
お店に立ち寄って、キンキンに冷えたアイスキャンディーを二本買い、それから歩く速度を少し速めて彼の部屋に向かった


チャイムを鳴らすと彼は部屋のドアをそっと開け、わたしの手の袋からアイスキャンディーをつまみあげて部屋の奥の低い窓枠に座って食べ始めた

アイスキャンディーを食べ終えると彼はいつもわたしとシャワーを浴びた
わたしの体にあてられる手や、大きめの桶から浴びせられる冷えびえとした水の存在感を覚えている
ただあの夏の暑さだけは何故かうまく想像できなくなってしまっている

わたしたちはあまりセックスをしなかったから
浴室での彼の振る舞いをよく覚えている
彼はわたしの髪や体を
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