誰かが降り続ける/ホロウ・シカエルボク
母親としての直観だった、いまでも間違ったことをしたとは思っていない」と彼女は語った
自分に憑いた悪魔のことには気づけなかったらしい
またとある国…いまでは義務を果たす以外になんの価値もなくなったとある国では
十七の女がこれまでに読んだ詩集のすべてを踏み台にして
首を吊って人生をキャンセルしたが
キャンセルの負債はすべて残された家族が背負った
彼女は満面の笑みを浮かべたまま窒息していて
「世界一チャーミングな自殺死体」と呼ばれてインターネットのトピックになった
数週間ほどして彼女に憧れた男子高校生が
同じような演出を施して自死を敢行したが
到底彼女のレベルには至らなかった
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