誰かが降り続ける/ホロウ・シカエルボク
 
った
こちら側には関係のないことだが死に方にもしもランクがあるとしたなら
彼女は今頃天国でくつろいでいるかもしれない


これはまったく公にはなっていない話だが
俺の知ってるとある工場じゃ人ひとり巻き込んだ機械がいまでも稼働してる
そいつは子煩悩な若い父親だったらしいが
帰りのタイムカードを押して駐車場に愛車を残したまま行方不明ってことになってるってさ
なんでも工場のボスと警察の上の方が仲良しで
十何年も前から「そういうこと」で落ち着く手はずになってるってさ


倒れて、倒れて、倒れまくった、物語にすらならなかったやつら、世界のどこかで、街のどこかで、通りの向こう側で、生
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