都会の空は狭いってよく聞くけど、案外そうでもなかった。/少年(しょーや)
リカ村」というひとつのエリアとして成り立っている場所だった。
軽自動車一台通れるか通れないか、ぎりぎりの狭い車道を堂々と渡ろうとするワゴン車の目の前を、これまた堂々と練り歩く人の波。
一見危なっかしい光景に見えたがそうでもなかった。
ワゴン車は歩行者の行列が去るまで延々と待ち続けていた。
その合間を縫って自転車やらバイクが突っ切ることもなく、暗黙の了解、阿吽の呼吸というやつが働いているのか「歩行者優先」という
当たり前っちゃあ当たり前だがなかなかどうしても守れない秩序がいとも簡単に守られていた。
時々、黒人の男に何度が話しかけられた。
「Hey,Brother!!オニイサーン。カイモ
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