続・銀の雨/kaz.
 
発を起こす。あとは火が確実に兵士たちを追い払う。

煙の中で、眠っていた。そのときから、夢を見ることを、思い出した。思い出した後は、それが夢という名前だと、名付けるのを忘れた。忘れはしたが、それがそういうものだと知っている。鳥が飛ぶ姿が、私の世界を上空に打ち上げてくれる。先に燃え出した山火事に散水する車の群れ(消防車)。あれが何という名前だったか、もう呼ぶことができない番号を掛けて、そこから連れ出してくれるなら嬉しい。110、119、0120、数の記憶は、それを辿る方向とは常に逆向きに、流れていくのだが、その形だけが浮かび上がり、名称を思い出すことはない。何と呼んでいたか、呼んでいたのは誰だっ
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