yield/ホロウ・シカエルボク
った
いつだってそんなことを思いながら
魂は肉体の死後、宙に浮かんで
自分の死後の一部始終を見ているらしい
俺はそれが本当であるといいのにと思う
俺は自分の死骸を見たい
だらしなく口を開けて死んでいる自分を目の当たりにしたそのとき
本当に笑うことが出来るだろう
レストランの廃墟の中に潜り込んで
狂ったように青い海を眺めていた
廃墟の中に居る人間は生きているだろうか
それが知りたくてがらんどうの入口をくぐるのだろう
感覚のすべてが失われたとき
俺は本当の詩を知ることが出来るだろう
朽ちかけたコンクリートの亀裂に
世界への手紙を差し入れる
それは誰も居な
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