yield/ホロウ・シカエルボク
 
った
現実はそこへ続く旅であり
いずれ魂になってそこへ還るのだと
まどろっこしい話だ
生きてるうちに天国に行かせろ


時々、真夜中にすべての音を排除して、背もたれに身体を預けて暗闇に紛れ込む
そうすると世界のすべてが知らん顔をしている
目を閉じるととち狂った死の中に溺れているような気分になる
俺はどんなもののことも知らない
知ることがないように努めてきた
俺はいつだって利口な阿呆であり
それだから足枷の存在を感じない
観念的な血飛沫が四方八方から自分を濡らすのをほっぽり出された
ミストシャワーのように感じながら生きている
あの血渋木の向こうの誰かじゃなくてよかった
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