ノー/イシダユーリ
ように
わたしは笑って
いくつかの脈を爪できり刻む
わからない
この道の先は
わからない
面倒くさい
この坂は
とても
面倒くさい
君が
血反吐のように
いつか吐き出すであろう
ことばを
いま
与えている
与える
あいだを
みている
(それはどこからかひろってきたの?)
めをつぶり
わたしは
ひとりになる
けれど、まぶたの裏は
言う
わたしは
君を
ひとりにする
そのよろこびと
いたみ
内臓を手で圧し潰すかわりに
グラスや陶器のコップが壊れ
皮膚を傷つける
それを見る
閉眼
わたしの
ちからの
むさしさ
彼
[次のページ]
戻る 編 削 Point(10)