ビューティー・メッセージ/カンチェルスキス
 
の打ち明け話で驚いたが、やけに明るい青空を見上げ、友人も頷く。
「ああ、身の破滅だ」
 さっきまで下ネタの下品な笑いに包まれていた車内だったが、それから二人とも妙に黙り込み、40キロ制限を守って、午後二時の日差しをまともに浴びる。ボウリングへ行くのはやめ、見晴らしのいい山の展望台で昔話を語り合おう―。共に良い友人を持った喜びを二人は?み締めていた。
「身の破滅」
 というこの言葉に、私は地鳴りのような響きを感じる。

「酒たばこシンナー遊びは身の破滅 経験者語る」
 実際に、それらに手を染め、身の破滅を経験した者の叫びだ。仕事も、家族も、ペットのトイプードルも失った。身も心もボロボロ
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