十代の腐臭/うみこ
地面に
突っ立ってるやつを
引っこ抜いて背負って歩いてる
キリストみたく
裸足ではなく
汚れたスニーカーで
登坂する
砂利道
アスファルト
コンクリート
…
爪を切った
少しずつ
爪切りがあった
兄の
灰皿の横に
ごめんな母さん
僕は立ち直るから
きっと立ち直るから、
誰かの十字架が
倒れてた
僕のものは
僕が背負うべきものだから
分けてあげられないよ
ごめんね
それはつまり
僕は
僕の十字架を背負うので精一杯だから
君のこと
起こしてあげられないってことなんだ
ごめんね
ごめんね
ごめんね、
十
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