十代の腐臭/うみこ
 

十代の
十は
十字架の
十だった
地面に
突っ立ってたやつを
引っこ抜いて背負って歩いてる
キリストみたく
裸足ではなく
汚れたスニーカーで
登坂する
砂利道
アスファルト
コンクリート



君が
白線にも負けない白い顔をして倒れていた
髪の毛は
その白さの上に幾つかの束を作ってへばりついていた


朝へ続く道
爪を切った足
シャツを通過する温もり
すぐ近くで聞こえる静寂
冷たい湿度



力の抜けた指先
放心する朝日
朝なのに
夕焼けみたいな色の中に伸びた僕の影

うつらない十字架
祝福されない
重い計り



最近見た映画
よりもなんだか















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