十代の腐臭/うみこ
十代の
十は
十字架の
十だった
地面に
突っ立ってたやつを
引っこ抜いて背負って歩いてる
キリストみたく
裸足ではなく
汚れたスニーカーで
登坂する
砂利道
アスファルト
コンクリート
…
君が
白線にも負けない白い顔をして倒れていた
髪の毛は
その白さの上に幾つかの束を作ってへばりついていた
朝へ続く道
爪を切った足
シャツを通過する温もり
すぐ近くで聞こえる静寂
冷たい湿度
力の抜けた指先
放心する朝日
朝なのに
夕焼けみたいな色の中に伸びた僕の影
に
うつらない十字架
祝福されない
重い計り
最近見た映画
よりもなんだか
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