きみに寄せる詩群/山中 烏流
じわるな喋り方で
きみのくちびるが尖る瞬間や
わたしの
目や耳を塞いで
きみに気付かなくしてしまうのが好き
そうして
きみが真面目な顔をする頃に
すっ、と隠れてしまうのだ
3.
その姿は信仰によく似ている
わたしの耳を滑り
上下する胸の奥にひっそりと根付いて
遠く
いつか、呼吸の波が去る頃
組まれた指から
芽吹いては枯れるような
わたしたちの
*
わたしの優しさは
わたしのためにある
ただ黙って話を聞くこと
船を漕ぐ頭を撫でること
蹴り剥がした毛布を掛け直すこと
たくさんの
きみに向けた優しさは
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