きみに寄せる詩群/山中 烏流
 
きみ
つまみ上げては
戻したり
放り投げたりして、遊ぶ



きみとわたしは
本当に
隅々まで違う形をしている
重なり合いたい時もあれば
近付く指をへし折りたいときもある

きみを愛している
たまに
どうしようもなくなりながら

きみを、愛している




2.

きみが
わたしの名前を呼ぶとき
ごく稀に
わたし以外の誰かが
顔を覗かせる
きみは気付いていないし
わたしが気付くのは
何もかも
過ぎ去ってしまったあとだから
どうしようもない

うん、そう、へえ
この三言を器用に使い分けて
彼女はかくれんぼをしている
いじわ
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