異端者ガランドゥスの思想について/がらんどう
 
外に出るための方法としての意図的な反復」という考えが見える(差異を生み出すのはいつだってミスコピーである)。これに関してもオリゲネスの思想を参照すべきであろう。たとえば、オリゲネスは『ヨハネによる福音注解』において「そして神ご自身は、いかなる被造物の思考によっても把握されない」と言いつつ 「父なる神については、誰も相応しく語ることはできないが、諸々の目に見える被造物を契機として、そして人間の精神が自然的に知覚するものから、ある種の認識を得ることは可能である」と言っている。ここでオリゲネスが示しているのは、神の本性が「未だ」有限な被造物には隠されているという事実であって、有限な被造物には神を知ること
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