異端者ガランドゥスの思想について/がらんどう
 
ことが不可能であるということではない。そもそも、神が、あらかじめ何らかの形で知られていなければ、神について何かを問い語ることは不可能だからである。だが、ガランドゥスは更にその認識の契機として「偶然」と「失敗」を提示する。
「存在が私なのでなくただ行為のうちに私は立ち現れる。存在するためには存在し続けなければならない」
この言葉にも伺えるように、彼の思想においては、神を知るということは神を求めるということと直接に結びつけられるのである。


戻る   Point(1)