異端者ガランドゥスの思想について/がらんどう
るであろう。
「神の名前は、神がこの世界にあるが故に、この世界の内側にある。だが、その名前はかつて口にされたものではない。ここで我々はひとつの言葉を想像する。かつて、ある言葉を用いた人々がいた。だが、その人々は既に滅び、その人々の言葉を知るものは今やいない。そして、その人々は神という概念を持たなかったが、神の名前はその神を知らぬ言葉によってしか表すことができない。彼らは神を知る可能性を持ちながら、神を知る前に滅びたのである。それゆえ我々は、間違えて偶然に神の名前を口にするかもしれぬと、神のものではない名前を反復するのだ」
これが彼の思想の中核をなすと思われる発言であり、そこには「反復の外に
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