異端者ガランドゥスの思想について/がらんどう
 
して修行するのがいかなることなのかがよく分かっている。そして肉体の形に惑わされることなく、各人の魂の状態を見抜き、その魂と対話を交わすであろう。この世には人間の姿をした数多くの獣がいる。賢明なる入信者がこれら獣たちを見極めると、その者は豚には木の実を与え、牛には大麦や籾殻や牧草を、犬には骨を投げ与えるであろう。奴隷にはほんの初歩的な教えを授け、子供には完全なる教えを授けるであろう」
つまり、グノーシス主義と称されるものが互いに矛盾した教義を持つ理由もここにある。学ぶものの真理への距離によって、真理自身もその姿を変えるのである。おそらく、真のグノーシス主義者はグノーシス主義を否定するものと言えるで
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