異端者ガランドゥスの思想について/がらんどう
しく反グノーシス的な見解の極みといえよう。グノーシス主義というよりは二世紀末のテオドトゥスに端を発するといわれる「養子説」のような見解であるが、父と子と精霊を単一の神の「顕れ」と説くモナルキア主義や、子を父にならって創造されたものと考えるアリウス派との関係も疑うべきであろう。その観点からはオリゲネスの思想との接近も伺える。
このようなグノーシス主義者によるグノーシス主義批判ととれるような発言については以下のようにも考えられるであろう。たとえば、(その名も知られていない)グノーシス主義者自身も『ピリポ福音書』のなかでこう語る。
「もし、グノーシスの入信者が賢明であるならば、その者は弟子として
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