異端者ガランドゥスの思想について/がらんどう
 
味している。神はデミウルゴスを生み、デミウルゴスは世界を生む、という関係性において、神は世界の内側に折りたたまれる。塵芥の中で塵芥として神性を獲得するということ、つまり一足飛びに「別の場所」への超越を求めないということ。そこにおいて、彼はグノーシス主義の二元論的世界観に対する攻撃者となるのである。
「我々は失望ではなく正しく絶望しなければならない。だが絶望だけではまだ足りない」

また彼は次のようにも述べている。
「イエスは正しく人間であった。その人間であったということにこそ救いの可能性はある。イエスが人間でなかったとしたら、ただの人間にどんな救いがあるというのか?」
これなどはまさしく
[次のページ]
戻る   Point(1)