きれえごと/虹村 凌
だ手術痕がくっきりと残っている。
今でも覚えている。病院の一室で、両親と俺は、先生の話を聞いていた。
親父は深刻な顔をしていた。俺は、軽く考えていた。
母親は、もっと深刻な顔をしていた。しまいには、泣き出した。
何だか、俺が泣かせてしまったようで、すごく、申し訳無かった。
この線維腫の所為だと思われるが、後にアトピーになった。
神経をいじった為、筋肉が変な走り方をしていて、神経も変になっている。
しかし、この線維腫ばっかりは、親父も東洋医学では駄目だと思い、手術をしたのだ。
病室の窓から、新病棟建設の様子を、ずっと眺めていた。
空は、四角いのだと思った。
病院食は、
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