虚構の庭/管城春
 
らっ
てつけるとその指が千切れて車に轢かれる。血液は絵画の一
部分になる。わたしは要約される。
                                        白い花が散る。白い花が散る。
裏切りは愛情を以て為された。冷血は持て囃される夜があっ
て、朝が来るとすべてのてのひらは返される。そのことを知
っている。予定された反乱を駆使して摩耗したいように摩耗
してゆく、つよい背中の上に跨がって思い通りのあなたを思
い通りにしたい。清潔な祈りは清潔である、わたしたちはそ
れだけの言葉では満足することができなかった。どうして知
らないの?無言で尋ねるその目が部屋の至ると
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