虚構の庭/管城春
 
るところにあって
、夢のなかにまでついてくるのであればそれはもはやわたし
のものだろう。朝が来るとすべてのてのひらが返されても、
冷血が持て囃される夜がある。集えよ。
                                        白い花が散る。白い花が散る。
この連鎖に組み込まれたのは硝子を割らないかぎり抜け出せ
ないとあなたが教えてくれたからで、パリン、パリンと時折
響くその音が誰かの脱落を知らせて、そのことに安堵してい
る。いなくなれるのであれば存在してもいい。パリン、パリ
ンと時折響くその音の、その手段以外を模索するために、存
続を存続させ続ける。脱落した世界の下には皿のような世界
があって、そこでも硝子は割られ続けている。血液を売って
得たその歌はまだ歌われていない。見つからないようにすべ
てを欺きながら、あらゆるすべてを狂わせて燃やせ。知れ、
わたしはまだ生きたつもりはない。) 
                                     白い花を散らせ。白い花を散らせ。
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