虚構の庭/管城春
 
結んで待っている。強い決意。
                                        白い花が散る。白い花が散る。
おおきな音がする。こわい。硬質で冷たい音楽だけが聴きた
かった。人間の言葉はあたたかすぎて、血が通うのであれば
気持ち悪い。罵声には肉がある。声援にも肉がある。降り積
もった体温がじわりと融けだしてすべての境界線を曖昧にし
てしまうのであれば、許さない、空もすべてかき回してわた
しのための色にしてみせる。硝子が割れる。硝子が何度も割
れる。この世界のルールに従ってこの世界から逸脱する。整
備されきった国道を何度も何度も通り過ぎる。指輪をもらっ
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