ホログラム/水町綜助
なだけあばれさせた
そんなものが体を作っていると
信じたつもりになっていたのだろうか?
澱をいくども飲み込んだ僕は
幼稚だと思ったけれど、
暴虐みたいな風が吹いて巻き
破かれ捨てられた日めくりの中に
信じられないほど、事実あった。その日々は
「蛇がいて時々うねるの
体の中で太い胴を
こすらせながら
それはざらざらしてて
背中にとりはだを立たせるの
を、ベッドの上の天井から見ているの
は、私なの」
聞くのもうんざりする
丸めて捨てられ続けた言葉を
だれひとりとしてノートに書き付けず
ベッドのシーツに波打つ襞へ
注ぎ込むように呟けばドブになる
ただ太陽に
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)