ホログラム/水町綜助
 
陽に背いて
肩越しに照りつける日差しに
油膜は虹色を現す波と波の干渉
水はただ、肌を合わせ、
油膜をうかべていることしかしなかった
どれほど熱したところで、
溶け合わないことは
性器の形からしてあきらかだったので
姿はどこにもなかったことを知った
溶けないから
浮かび続ける
浮かばせ続けた
干渉しないインコヒーレント
ジンジンと痛む傷が背中にある
胸に切りつければ
傷はなくなると
晴れやかに笑って見せながら
虹色をしていたきみの屈折率












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