未来/葉leaf
――D.K.へ
君は静かに「消えていった」。君は「消えていった」という言葉を望むだろう。だが私はこう思うのだ――君は「殺された」と。そして君を殺したものに、僕もまた殺されかけている。だが君を殺したものはいったい誰だ? それは誰でもないのだ。罪を負う主体が存在しない無責任で物質的な混沌が、にもかかわらず持っている無窮の権力でもって、君の身体を疲弊した密林に迷い込ませた。君の食料は棘だらけで毒だらけで、全てが負傷していく密林でもはや地に斃れるしか行き場がなくなったのだ。
君は沈黙しながらも、この社会という物質的な混沌の中に巻き込まれ、至る所に壁が聳え立っ
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