路傍の一生/這 いずる
げども
それが本当なのかわからないまま
私も知らないままだった
男は私から子を取り上げ
私にさみしさだけを残した
残された私は今
ここにいるのに誰もが素通りする
物だけが私を囲み
なぐさめてはくれる
それだけ
なぐさめるだけ
それ以上の何かはあるはずもなく
【00】
なくしものは出てくることは少なくて
失って居続ける現状は
虚無感ばかり募らせて
一人空を見上げては
ため息を吐くことすら疲れてできなくて
ただ眼を見開き涙の落ちないように
乾かすだけだった
そんな生活をもう一生の半分も過ごしていて
このまま変わらないのだと知っていた
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