チューしてあげる/島中 充
目使いに裁判官をうかがっている犯人であった。大きく大きくケイコは閻魔大王になり、ぼくは小さく小さく罪人になっていくようだった。
優位に立とうとしている虚勢も、ややもすると、ケイコがそこにいるというだけで、岩にたがねをこつこつと打ち込まれ、小さく砕かれていく石ころのようだった。そういえば、ぼくは、れき岩であった。そして、もしかしたら、ケイコは、ちゃんとぼくが虚勢を張っていることも、ひどく悔やんでいることも、知っているのかも知れない。ぼくがずるく掃除をさぼっているのを知っていて、腹を立てていたように、腹の中で、ほらみろ、と笑っているのかも知れない。以前ぼくが、ケイコを馬鹿に扱っていたのは、本当は、
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