チューしてあげる/島中 充
 
んて、目を丸くし、ぼくに乱暴者のらく印を押すにきまっている。さげすむような目で、これからずっと見るだろう。ますますぼくは嫌われるだろう。男が弱いオンナをなぐる。それは野蛮人かゴリラのすることだ、とオンナたちは言うに決まっている。ケイコは椅子を振り上げてもオンナだ。先生もオンナだ。ぼくはリーダーではなく、学級の野蛮な雄ゴリラにされてしまう。それに、ケイコはクラスで一番人気があるから、ホームルームの時間に、ぼくの悪口が言われるだろう。運動場でつばをはいた。赤信号を渡った。木の陰に隠れて、木に向かって雄犬のように立小便をした。次々に並べられるだろう。ぼくが議長をしているホームルームにみんなのげんこつを握
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