即興(散歩)/香椎焚
 
かしい膨らみを孕んでいるのに
目が悪い私にさえ判るのに
想いの充血は密かに…
すこし興奮して
私は人にぶつかり
人はそそくさと逃げる
ところで明日は
(時々思うことだが)
また水曜日かもしれない


今度は公園まで歩く
長い太陽を背に
そのときの私の無心さは
おそらくにんげんの底辺
めずらしくない日
ただ、公園に着くより前に
控えめで純朴な街路樹があって
スーパーの袋が刺さっていて
かわいそうなので
ヘッドホンの音楽さえ聴こえなくなった
すると外気が流れ込み
知らないものと知っているものが
うっすら手を取り合って
なんなく私を狂わせ
私はむしろ浮か
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