ニーチェ、ヴァレリー、デリダの視線/kaz.
 

だってさ、先っちょが
いつも震えてる!

2.褐色
暗澹たるトンネルで、
明るさを語ろう、誘って、
誘って、青の光たちが、
裂け目から無数に濡れ出て
くる幻想の中。つながりのない
物語を重ねて、いくつも
いくつも、これで二つめ。

3.結晶
ほむらがほむらんだ、と
紫の稲穂の群が斑、斑、
蒸らした穂の上に落ち、
弔んだ。
そうまでして死語は続く。
ほむらんだ、という動詞のもと
に包みをそっとおこう。
ほむら、群がって、
しゅん、お香典のにおい。

4.
貝殻は海岸に咲く花だ。海の知らない言葉も知っている。どこからも流れてはこないのだけど。むらさき
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