ニーチェ、ヴァレリー、デリダの視線/kaz.
 
さきの貝殻を、河にさらす。風に梳けば凪、指は紫に染まる、ほむらが群がる爪先には風薫る、吹き消せば爪のいろはあかるい。

5.最後に
爪に火を燈すような日々……
爪を火に投げ込め、
葬り去れ!
死体は燈る、
火を払って、登る、
木を払って、払っては波、
拭っては涙、拾ってはしかばね、
浮かばね、浮かばね。
もう二度と来るもんか。
この海のもとには。


ニーソ、ニーチェ、ニーハイ、ニース、
おフランスしながら神奈川を渡る、
雨雪を捨てた、洞穴のような孤独を、
僕らはたっぷりと味わっている、

早く早く早く早く早く早く早く早く、
一刻も早く、カタツムリのよう
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