譫言/kaz.
 
の切れ間から、
水掻きを暴れさせながら、
オレンジの眼光を鋭くして、
僕の目の前を過ぎる

…激流の中で、
必死に、
溺れている。

すぐに幼い少年が
自動ドアを潜り、
ラグラージに駆け寄ろうとする
「助けて、僕のラグラージを、助けてよ」
少年は遥かに背の高い鉄柵を握り締め、
慟哭が、
強くぶつかって、
柵の前で崩れ落ちている

僕は施設の管理員に叫ぶ
おい、
水流を止めろ!
「いえ、できません」
なんとかしろ、
この子のラグラージが、
このままだと、死ぬぞ!
どうしてそれができない、
「できないものはできないんです」
そんな馬鹿なことがあるも
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