譫言/kaz.
 
ートが必要だなんて思わなかった。
「でもこの街に雨が降らない日は一年に一日しかないことを考えたら、それも当然と言えよう。」
スクリューの回転が、
幾度も僕の神経を揺さ振っているのを、
助長するソルロックの語りで
僕の心臓は総攻撃を開始し、
たちまち辺りは焦土に包まれる。
すぐに雨がそれを掻き消して、
乾いたけむりのにおいだけが浸す
僕の脳内はすっかり透明なガラスの空洞だ。
「でも妙だと思わないか」
確かに街の異変がこの程度ではないということを
きっと誰かが知っているはずだ。
具象化できない歪みが回転しているのを、
師はルンパッパの洪水と表現した。
明らかに一切の街の構
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