希死/葉leaf
でも届いていくはずだった。太陽の熱と共に伸縮し、夜の闇とともに形を消す自然の一部として、遥かな消失点ですべての存在と共に混じり合うはずだった。この生の殻の内側に何があるのか、僕にはよく分からない。時間や空間の素になるような始原的なものが入っているかのようにも思えるし、空虚であることすら否定する絶対的な空虚が入っているかのようにも思える。ただ今回分かったことは、そんな生の周到な殻が割れたとき、内側からにじみ出てきたものはすぐさま外気と化学変化を起こし、死にたい、という発語に姿を変えるということだ。生の殻の内側にあるものは単純な死ではなく、むしろすべてが始まるときのかすかな音響のようなものが積もってい
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