『ラッキーストライク』  卵から始まるはな詩?/ただのみきや
 

嬉しかったなぁ
だけど今じゃ目も合わせてもらえないし
目が合ったら合ったで汚いものでも見る様に
でもね あの人はどう見ても幸せじゃなかった
悪い男にそそのかされて無理していて
見ていられなかった
それでね
彼女を不幸から救おうと心に決めた訳です
わたしの卵を命中させて
わたしはこのミッションを
ラッキーストライクの最後の投卵にしよう
そう決めたのです

そうして決行しました
あの人が夕暮れの商店街から橋を渡って歩いてくるところを
真正面からです
わたしは最大のラッキーを願って投げました
外しはしません 当然 顔面ストライクです
立ち止った彼女に駆けよりわたしは
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