僕のなかの思想が燃える/伊藤 大樹
僕のなかの思想が燃える
公園の中を風が吹きすさぶ
穹窿に祈りが刻印される
僕は何者かを求め靴を捨てる
沈黙が時間に色づけする
植物は焦がれている
肺の中を一本の電車が通過する
銀色の屋根が窓を記憶する
詩なんかかけなくてもいい!
透明人間の住む街に僕は引越そう
口笛でシューベルトのドッペルゲンゲルを吹きながら
名付けたくなったら本を閉じよ!
阿武隈川の水のような思い出を忘れよう
感嘆符が僕を犯す!
疑問符が僕を威す?
引用符が僕をそびやかす ?詩は 滑稽だ?と。
句点が僕の心臓だ、
読点が僕の十字路だ。
濁点が僕の病院だ
半濁点が僕の街角だ
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